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保管No-048

              bakuのブログ 旅の道草(0018)
軽井沢・鬼押し出し                    (ameblo 2015.10.02 掲載)

  

   

見渡せば奇岩の屹立が…
獅子・獣やら武者・行者風に、
歩きに合わせた角度と光の加減で、
まるで岩が役者の出で立ちに変化して、
“これで、よろしいか!?” と世を問いつつ、
凛と見得切りしている様に目に入ります。

秋色を付け始めた草木が引き立て桟敷となり、
或は遠見に化粧袴を身に纏い傾く役者岩の様に、
夢幻も現の混在世界、
ここならではの、念の息づく(超)自然造詣美の眺めでありました。

  


この旅は仲間3人で、塩沢湖から鬼押し出しまで若き日の4人旅を懐かしむ目的も有りました。

傍らに、もう会えなくなってしまった悪戯好きのT君が居るようで、
“俺はここだ、見つけてみろよ”
秋風を使い、岩原の薄や草むらをあちこちで揺らしては、
悪戯っぽい目を輝かせて“かくれんぼ”を仕掛けているような……
彼の居た旅の思い出を三人三様に口にしては、彼が一緒にいる気分を楽しんだのです。

それにしても、この長い道程をよく自転車で来たもんだと、
若き日の自分達の力強さに感心するばかりです。

レンタサイクルを偶然見つけて、
その場で決める何時もの僕等の旅仕様、

“行き当たりばったり” を楽しむ…でしたから(笑)
輝いて見える時を懐かしく振り返りながら……
仲間の居る自分の “生かされ生る” を改めて感じる旅となりました。
感謝します。





              民宿から鬼押し出しへ(遠い昔の話です)

          

この建物に当時の面影は有りませんが、塩沢湖からの距離で若い日4人で泊まった民宿だろうと思います。

我々が宿泊した日……
夜中まで麻雀していたら、
隣の泊り客に “いつまでやっているんですか” と、不機嫌に怒られた事は皆も覚えておりました。
“すいません、すぐ止めます” 素直に謝り、口数も少なめに即就寝です。
何と、素直な青年たちだろう…当たり前か!?(笑)

          

          翌日、H君のシャッターで撮った若き日の1枚です。
          ベンチでごろ寝の人、○○ではなく二日酔いでダウン中です。
          酔っ払い君が “先に行って、追いかけるから” と言ったので、
          他3名は宿も近いし駄目なら戻るだろうと決め込み、
          先に鬼押し出しに向けて出発する事にしました。
          確かここ、長倉神社の境内だったと私は思うのですが……

          

今回寄ってみたのですが撮影位置も特定できず、他2名はここじゃないと言うし…(トホホ)



          いざ、レンタサイクルで鬼押し出しへ(かなり昔の話ですが)

あの日も秋の空は曇りがちだったような。
中軽井沢駅前を右折すると間もなく登り坂になり、道のカーブも次第にきつくなります。
二日酔いのSA君を残した3人は、自転車の変速ギアを使い分け登り坂を軽快に進みます。
しかしカーブが連続する急坂の登りに入ると、もうどうにもならず休憩を兼ね自転車を手押し、また走るという繰り返しになりました。

T君と僕が煙草を一服するための休憩をとった時でした。H君は20歳を境に禁煙したばかり。ちなみに私はずーと後、心カテ・ステント留置術を受けた直後禁煙します)
カーブの死角から突然現れ “自転車を軽やかにこぐ男”
まさかと思いつつその顔を見れば、あの二日酔いのSA君じゃありませんか。
何で???
T君があだ名付けしたSL君の下半身Sに、これほどの強靭さがあるなら上半身を足した全パワ―は、一体どれくいら凄いのだろうと想像しただけで僕はギブアップです。

そう言えば…
後で知った事ですが、夏季バイト先のプールサイドで休憩時間中に、後輩TO君のデッキブラシ・ゴルフスイングが彼の顎を直撃して、奥歯数本が折れこぼれたにも関わらず、その日我慢して仕事を仕切った精神の強さを思い出したのです。
人間、体の大きさではないな! 彼なら立派に切腹ができる!?
僕は、改めて時代錯誤の変な感心をしてしまいました(笑)
その彼、おまけに“坂道の登りは休んだら駄目なんだ。まったくだらしない”とキメ台詞を残し、颯爽と3人の視界から消え去ったのです。 我々3人は顔を見合わせ笑うしかなく、その後団子3兄弟となって彼の後を追い、鬼押し出しを目指す羽目になったのであります。

ところが……
兎と亀の話の様な事は起こるもので……
国道の看板を鬼押し出し園方面に左折し直線の坂道を登りに登り、ようやく先にそれらしき景色が視界に入りゴールを間近にすると、それまで先の見えないある種の悲壮感も反転余裕に代わり、そこで3名最後の休憩をとることにしたのです。
素晴らしいと予測する眺望を目にする前の興奮を少し鎮めるためか、最後のダッシュで2番を争うための準備というか、面白い心理状態だったと思います。

その時であります。
遥か坂道の下の方に、一人こちらに向かって来る自転車男が点で見えたのです。
ここまでの道中、我々意外サイクリングを見かけませんでしたから。
“もの好きは居るものだ。俺達だけじゃないね” と笑って見ていると、
見分けのつかぬ点が大きくなるにつれ、それがSA君と見分けられる大きさになった時でした。
互いに目を見合わせたかどうか? でも心理は一つ。
突然転がり込んだ一等賞狙いで、誰が発したか、それとも鬼の掛け声か(笑)
“よし!競争だ!!” 3人は一斉にゴールを目指し走り出したのです。

ところが、ところが……
T君の猛ダッシュがずば抜けていて、僕の方と言えば肝心の足がパンパンで力が入らず早くも戦意喪失。
同じく出遅れ気味のH君に声を掛け、とりあえず “SA君を待とう” と誘ったのです。
やがて追いついたSA君に、“なんだ、やっぱりビリじゃん” とからかうと、
“違うよ、皆があまりに遅いからリンゴ園に寄っていた” と、
その余りにも瑞々しく美味しそうなリンゴを見せられて、
水分不足の我々2人は、“本当かよ! 実はばてて休んでいたんでしょ!?” の疑いも、
渇いた喉にリンゴを頂戴しては、気持ち的に彼の一等賞を認めざるを得ません(笑)
でも理由はどうであれ、最後の根性で鬼押し出し1番乗りはT君でした。

しかし、しかし、でもしかし……
SA君が買った4個のリンゴ1個だけが潰れていて、結局T君はリンゴを食べられなかったのです。
何かこれ! 昔ばなしの教訓みたい!?…???
でも実話です(笑)

おまけにT君は帰りの下り坂で、H君を“外から追い越し”と抜き去りざまに、勢い余りカーブを曲がり切れず、側歩道の砂利に乗り上げ彼の自転車はパンクで立ち往生……
途中ガソリンスタンドでH君の低姿勢のお願いが功を奏し、好意のパンク修理をして貰う幸運を頂いたのです。
“砂利道ぐらいでパンクとなんて!?”
おやじさんの好意に対するT君の照れやら、悔し紛れの言い訳に、
“浅間の石は、かてえからな!” とスタンドのおやじさん……
その節は大変お世話になり、その上旅の記念残る言葉まで頂き有難うございます…なのでした。


             では、鬼押し出しの写真をもう少し…

  

   

  

   

  

  

  



では、今回はここまで。
お付き合い有難うございました。


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