< 嘉例川駅(2016.09.30・鹿児島旅行より) >
手前の踏切から嘉例川駅方向を見ますと、小山の茂りを二つに割いて、鉄路広い見晴らしを求求めるかのように大空に向かって伸びておりました。
僕が駅のホームに立つと頃合いもよく、カタコト、カタコトとレールを叩き、特急はやとの風鹿児島中央行が現れました。
そして列車が着くと、車内アナウンスが有るものか乗客がパラパラ降りて来て、駅舎を見学しては記念車写真を撮ったり、女性車掌さんもその手伝いをして、山の駅のホームは一転子供の歓声やら人々の笑い声でとても賑やかになります。
それは、僅か5分の停止時間の事でした。
賑わい列車が去ると山の駅はまた、空、雲、風の静の中に山鳥の声を聞くような静寂に……
今回の詠み歌に、今年の5月、信州杖突峠の「やまそらまちや」に似たの表現をしてみました。
季節は違うけど、静寂が何もかも止めてしまったかのようで、私の存在だけを動かしていると感じたあの日に似ていたから…… |